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Cielo Estrellado's Essay
レジ袋と金銭のカタチ
2009年7月6日 執筆終了


> Top > 小説集・エッセイ集もくじ > 『レジ袋と金銭のカタチ』(現在地:You're here.)


レジ袋といえば、以前は買い物の際は使って当たり前だったはずのアイテムである。
だが現在はそれに代わってエコバッグを利用しようという動きが目立ち始め、その限りではなくなった。

一時期、レジ袋を有料化しよう、という動きが広まったことがなかっただろうか。
私は時期までは正確に記憶していないが、実際に有料化したところもあったような記憶がある。
これは当時レジ袋に関する議論が盛んに交わされていた頃であった。

テレビ取材からは、「レジ袋にお金がかかるなら、エコバッグを使うようにしよう」という声も多く聞こえた。
なるほど、そうすればレジ袋の使用が減るのか。幼心ながら、私はその報道に対してそう思った記憶がある。
だいぶ前のことに思っていたのだが、案外最近の出来事らしい。

時代は変わり、今、「レジ袋と金銭」の関係が変わりつつある。

私は先程、レジ袋を有料化して使用を抑えようとする動きに触れた。
だが、現在は違う。「レジ袋を使用しなかった場合は“割引”をする」という全く逆の動きで、レジ袋の使用を抑えようとしているのである。

これは非常に驚くべきことだった。
「レジ袋を使ったらお金を払う」という仕組みにするよりも、「レジ袋を断ったらお金が戻る」という仕組みにした方が、お得感が強い。お得感が強いから、率先してレジ袋を使わないようにする。「出来るだけ安く」という消費者の希望と「レジ袋の使用を抑えたい」という供給者の希望において、どちらも主目的を達成することが出来るのだ。
全く逆の発想を行き、恐らくその意図を成功させる。このことが、私に多大なる驚愕を与え、今回筆を執らせるに至ったのである。

ここで、割引の具体例を挙げてみよう。
「サティ」、「ビブレ」などのデパートを運営している企業「マイカル」系列の店舗では、レジ袋の使用を断ると合計金額から2円差し引かれるのである。

主婦でない私は、――2円をおろそかにする気はないが、――2円だけではそれほどお得感は感じない(当然主婦の方との買い物経験の差に違いない)。
ただ割引に関して熟練レベルである主婦の方々から見た場合、2円というのはかなり大きいものだと思う。
見たところ、たとえ数円でも出来るだけ安い所に買い物に行くのは当然らしい。
だとすれば、この「2円キャッシュバック」も嬉しいものに分類されるのではなかろうか。

「数円を払うのではなく、数円がキャッシュバックされる」。
前者の場合は、数円を払う羽目になるからレジ袋を貰わない、というニュアンスのほうが大きいと思う。これに対して、キャッシュバックの方がより「レジ袋を断る」ということに対する意欲を促進するのは言うまでもない。つまり、人によって若干目的の相違が起こる可能性はあるが、結果的には積極的にレジ袋の使用を抑えようとするわけだ。

更にマイカルの巧いところは、ポイントではなく現金でキャッシュバックする、という点である(ただし、つい最近までポイント制をとっていたらしい)。
私の自宅近くの某チェーンスーパーでは、レジ袋を断るとポイントが溜まるシステムになっている。当然このポイントは一定量を溜めて初めて効果を発揮し、同じチェーンスーパーでなければ使用が出来ない。
しかしキャッシュバックされるものが現金であれば、このような制約は生じない。
ポイントよりも使用できる範囲が広く、こちらも積極的にレジ袋を断るという行動につながると考えられる。

どうやらマイカルだけではなく他の企業も既に実施しているようで、ポイント制割引の期間を含めれば既にこのことは長く実施されている。
少々気付くのが遅かったようだが、このレジ袋の新しい対応には、企業が消費者の意図を読み、巧く対応していると思う。

最後に、我々が勘違いしてはいけないのは、レジ袋を断るのは割引のためだけではない、ということである。
当然割引されるのも重要な要素である。だがそれと同時に「環境を守る」ということも非常に重要なことであるのだ。割引だけのためとなっては本末転倒に違いない。
だから、いくらレジ袋を断っても、自宅でテレビをつけっぱなしにしたり、冷蔵庫を開けっ放しにしていては意味がない。むしろ、そちらを改善したほうがお得なくらいだ。
レジ袋の使用・不使用に関しては、様々な理由から賛否両論あるが、兎に角環境に関しては誰もが関心を抱くべきだろう。


This report was written on 7/6 2009.
Last modifying is 9/29 2008.

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