Cielo Estrellado's Reports
国鉄鶴見線 石油支線 Part2
米軍基地への引込み線は、ただの飾りではなかった!?
2007年8月15日 調査
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まえがき
「とにかく、早く書き上げねば……」それが、今このレポートを執筆している最中の心境である。
長らくこのレポートを書き上げなかったのはちょっとした理由があるのだが、それはどうでもいいので挙げないでおく。
◇ ◇ ◇
あの興奮から早1年が間も無く経過しようとしていた――
図らずも、廃駅となりつつも青空に負けない空色を見せてくれたあの駅舎に出会った興奮は、簡単には忘れないもののひとつとなった。
私はそのころ、東京にある拝島駅から安善駅まで、燃料輸送を行っていることを知った。
それだけではいつ張り込んで良いものか全く分からなかったのだが、私が偶然入手した時刻表には、「拝島駅発・安善駅着」の列車がしっかりと記載されていた。
浜安善駅は現在安善構内として扱われているのだから、間違いない。
コイツが…そう思い出撃を決定した。
そう、今回お送りするのは、石油支線を経由して米軍の貯油施設へと向かう米軍専用列車、通称「米タン」である。
しかしながら、その列車は「平日運行、平日も運休あり」と書いてあり、必ずしも列車が来る確証は持てなかった。
私は時刻表に目を通し、その列車が浜川崎に停車している時刻を見計らい、浜川崎へと向かった。
浜川崎に行くと、居た。時刻表通りのEF64。しかも連結しているのはタキの長編成だ。
これは間違いないぞ…と勝手に確信をし、さらに自転車で安善駅へと向かった。
安善に到着するや否やヤードを覗く。 やがて、先ほどまで浜川崎にいた例のEF64+タキ編成が姿を見せた。 なお、以降青枠で囲まれている写真は、写真をクリックすることでサイズの大きい写真を表示できる。 安善駅:横浜市鶴見区 寛政町1-4にて
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やがてEF64はタキの長編成を解結し、踏切を鳴らして安善駅西よりの留置線へと向かった。 専用線への動きばかりに気をとられているうちに、EF64はヤード内に留置されていたタキの長編成×2を牽引し、浜川崎方面へと去っていった。 ここで余談になるが、ヤードでの入れ替え作業について少しお話したい。 ちなみに、今回のヤードの確認中に安善駅西寄りの踏切が鳴った総合計は7回(駅西寄りの留置線への出入り回数が4回だから。数が噛み合わないのは、往復で1回しか鳴らない入れ替えがあった為だ。)。最も長く踏切が鳴っていた時間は2分ほどであった。 安善駅:横浜市鶴見区 寛政町1-4にて
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駅前の踏切で入れ替えを撮影する事にした。 少々緊迫した面持ちでDE10を見つめていると……
少々予想外の事態で、当日は一瞬驚いた記憶がある。 それにしても、停車しているカモレのカマをこんなに間近で撮るのは初めての経験だった。 安善駅:横浜市鶴見区 寛政町1-4にて |
タキを牽いたDE10は石油支線へと向かう分岐点の手前で停車した。 しかし、安善橋で数分待ってみたが、列車は来ない。だが、入れ替えの警笛は聞こえる。 と、石油支線の安善橋を見つめていた私が何を待っているのか気づいたのか、二人組の自転車の そして更に待つこと2分ほど。 私は橋の中腹で運河をバック(?)に撮影。 安善橋:横浜市鶴見区 安善町1丁目〜2丁目にて
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列車は浜安善構内に突入。DE10はヤードでタキを解放すると、入れ替えの準備を開始した。 タキは複数の職員の誘導によって、写真左に伸びる貯油施設への専用線へと向かう。 写真は、片側の線路にタキを解放し、もう片側の線路へと入線する準備中のDE10。 ちなみに、石油支線内の運行・誘導は、全て神奈川臨海鉄道の職員に委託されているようだ。 浜安善駅ヤード:横浜市鶴見区 安善町2丁目にて
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列車はプッシュで貯油施設構内に無事進入。ベルも鳴り止みんだ。 それからは1回だけ入れ替えをし、10分ほどの作業をしていた。 写真は唯一の入れ替え時の写真。 横浜市鶴見区 安善町2丁目にて |
タキを解結し、石油支線での仕事を終えたDE10は、安善への帰途をゆっくり駆けていった。
真夏の熱い陽光の下、DE10と、職員の熱き戦い(?)、そして私の撮影は幕を閉じた――
あとがき
残された9枚の画像だけで無理やりレポートを作る、という試み……
パソコンの故障でかっ飛ばしたデータは数知れず。この「Part2」の写真は某SNSにアップしてあったために無事だったが、同日撮影した他の写真は全て消えた。
いまだにショックを引きずっているのと、9枚だけで大丈夫だろうか……という変な不安が、今までこのレポート作成を放置していた理由の一片かもしれない。
それはさておき、てっきり廃止になったと思った線路の上を、黒く重々しいタキの群れが駆け抜けていくのには興奮した。
予想だにせぬ“浜安善駅との遭遇”、そして“廃線だと思った線路を駆ける貨物列車”――石油支線、どこまでも私を魅了する。
2009年現在、確認を取っていないためどのようにして米軍専用線への列車が運行しているかは把握できていない。
しかしながら専用線自体は明らかに現役であることが確認できたので、近いうちに列車のダイヤも確認したい。
Cielo Estrellado's Reports
国鉄鶴見線 石油支線 Part3(予告編)
“浜安善に会いたくて”―― 石油支線の踏切・橋梁・専用線跡・廃駅を網羅した、石油支線レポート完全版。
2009年4月12日 調査
廃駅である浜安善駅舎との出会い、飾りになったと思った線路を走る米タン列車との出会い――
そんな興奮と感動の出会いの舞台、石油支線を最後に訪問してから、1年半と数ヶ月が経過していた。
2009年4月12日、私は午後から鶴見線のあちこちを調査していた。
武蔵白石駅の廃鉄道可動橋や浅野近辺の専用線の調査、海芝浦駅の再探訪をしていたのであった。
海芝浦を後にした私は、ある場所に行くことを決めていた。――石油支線である。
「Part1」で不足していた情報・写真の収集が大きな理由であった。
でも、本当は浜安善の駅舎にも、もう一度会いたかった――
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というわけで、踏切、橋梁、旧・安善橋停留所跡、浜安善駅プラットホーム、専用線跡、米軍専用線の動向……etc.を完全に網羅したレポートをお送りします!
肝心のレポートは書き終わりましたが、ストックしておきます(^^; 公開まで乞うご期待です!!
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