Dolphin Express' Reports
Northern Tour '2009' - '09年北海道・北東北鉄道旅行記
廃線、秘境駅、夜景、思い出の地、あれこれ。
2010年7月29日 執筆
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at first 【旅の概要】 「Northern Tour 2009」の旅の概要、大まかな移動行程など。 |
0.【プロローグ】 | ||
1.【月光紀行】 朧な月が姿を見せる夜、私は煌びやかな新宿の光の中、月光の背中に乗り、一路新潟を目指す。初めての長旅のはじまりだ。 |
2.【北上小話】 遅延のために予定が崩れた私は、急遽新津で降車した。が、予定を変えれば秋田には恐らく予定通りに到着できる。初めての旅で私に課せられた、旅先での判断。 | ||
3.【25‰の峠越え】 秘境駅津軽湯の沢から隣駅の陣場までは、かつては25‰もの峠を機関車3重連で乗り越えていた奥羽本線の旧線があった。その名残を辿り、私は国境を越えるべく機関車のかよった矢立峠に挑む。 |
4.【青森夜話】 峠越えの後、私は陣場から奥羽本線に揺られ、青森の地に降り立った。私が見慣れているのとは別のベイブリッジの煌きに、私も相棒も心躍る。――あ、あれ? はまなす、これ座れるの? まさかの「夜通し立席」!? | ||
5.【ひとひらのはなびら】 無事に着席した私ではあったが、初めてはまなすに乗り、そして初めて家族なしに北海道の地を踏みしめることに興奮しきり、眠りどころではなかった。私の瞳には、昔父親が見せてくれた青函トンネルの光が映っていた。 |
6.【明り取りのある大隧道】 はまなすから降車した私は、何年ぶりかの札幌の地に深く感銘を受けていた。岩見沢を経由し栗丘に降り立った私は、かつて室蘭本線の複線区間の下り線として活躍しながら、打ち棄てられた峠の中の鉄路を追い求めた。 | ||
7.【蒼運河のきらめき】 父が見せてくれた、なだらかな小樽の坂道。今思えば異国の風景のように思える、どこかの喫茶店。――私は父との思い出を探しながら、名高い小樽運河のきららかな輝きを求め、小樽の地を行く。 |
8.【休息、ホテルにて】 この旅最初にして最後のホテル泊。札幌での夜は、それはもうドタバタであった。しかしながら同時に、ようやく体を伸ばして眠ることもできた。一夜の眠りについた私は、翌日もいきなりドタバタな札幌の朝を過ごすことになる。 | ||
9.【小樽人の残した廃線】 すっかり朝寝坊の私は、前日に引き続き再び小樽の地を訪ねる。「国鉄手宮線」、北海道初めての鉄道は、小樽人の手によりその地に大切に残されていた。彼らが小樽の地に残してくれた北海道の栄光を、私は今、辿る。 |
10.【すみれ色の夕食】 日が傾き始めた小樽の地を後にした私は、旧・張碓駅に思いを馳せつつ、車窓から石狩湾を眺めていた。その夜、私は相棒の提案で札幌ラーメンの権威である「すみれ」を訪ねることにした。この旅最初で最後の美食。 | ||
11.【さよなら北海道】 たった2日の北海道滞在は、はまなすに乗車して幕を下ろす。数年ぶりの北海道の地、私はいつかまたこの地をひとり訪れることを決意し、最北の国のプラットホームから足を離した。 |
12.【海の見える温泉】 青森を発った私は、南下の途上であるところを訪ねるところに決めていた。海の見える温泉、「ゆ〜さ浅虫」である。朝風の中、湯の島は青い海の真ん中に夏さびた色を纏ってぽっかりと浮かんでいる。なんと贅沢な朝であろうか。 | ||
13.【森の国の終着駅】 私は田沢湖線の桃色の短い車両に乗り、一路赤渕を目指す。――この田沢湖線の生まれる前、戦争の前に赤渕の傍にあった、森の廃駅「橋場駅」を訪ねるためであった―― |
14.【桃帯小町】 ムーンライトえちごの発車時刻に間に合うよう新潟にたどり着くため、私は田沢湖から、「桃帯小町」:秋田新幹線こまちの背に乗って大曲までワープすることにした。素敵なあなたの姿、いつか見られなくなってしまうのだね? | ||
15.【癒しとなれ、月の光】 私はこの時点ですっかり疲弊しきっていた。ほぼ動きっぱなしの行程、私は遠征の恐ろしさを初めて身を以って痛感した。疲労に電池切れが相まってろくに写真を撮ることもできず、私は倒れこむようにして新潟の地に辿り着いた。 |
16.【神風を呼ぶ風神の国】 新宿のネットカフェで休息をとった後、私は長野県諏訪市に赴くことにした。2006年に初めて訪れた諏訪湖に感銘を受け、もう一度諏訪を、諏訪大社を訪ねたいという気が起きたのだった。夏風の吹く湖畔、そしてまたも温泉。 | ||
17.【エピローグ】 |
今回の旅行は「北海道&東日本パス」を利用した5日間+α(利用開始直前の移動)でした。
北東北、北海道が今回の旅のメインで、そのために初日・4日目は本州を縦断する旅程となりました。
0日目(以降、「北海道&東日本パス」使用直前の一日をこう呼称します)に自宅を出発し、新宿から「ムーンライトえちご」に乗車。
1日目は北上しながら奥羽本線旧線の探訪、そして青森から急行「はまなす」に乗車し北海道へ。
2日目は札幌から岩見沢を経由し、室蘭本線の旧線を探訪。夜は小樽運河の夜景を鑑賞しました。
3日目は小樽にある北海道最初の鉄道「手宮線」(廃線)と鉄道の博物館を探訪。夜は札幌ラーメンを食べ、「はまなす」で南下。
4日目は東北本線で南下。浅虫温泉で絶景の朝風呂を堪能した後、田沢湖線やその廃駅を訪ね、新潟で「ムーンライトえちご」に乗車。
5日目、最終日のこの日は新宿から中央線で諏訪方面に向かい、諏訪大社を参拝し、温泉を堪能。帰宅の途につきました。
2009年7月上旬。かねてから考えていた北海道・北東北方面への遠征が現実味を帯びてきた。
ある程度確定していた大きな予定と、折り合いをつけることができたのである。
そんなわけで、もともと行きたかった場所をメインに、予定を組み始めた。
滅多に行かない土地であることから、趣味である廃線・休止線の情報も調べ、はじめて細かい予定を組み立てた。
当然今までの撮影でも予定を組んでいたわけだが、都心は移動に関しては細かく計画を立てなくても、数分おきに電車が来る。
だが、遠征の際はそうはいかないのだ。一本乗り遅れれば数時間待つ羽目にもなりかねない。
そのことをしっかりと念頭に置き、私はじっくりと旅程を立てていた。が、……
ここで最初のトラブルが発生した。あまりにも計画のほうばかりに意識が行っていたために、指定券の手配を忘れていたのだ。
出発日の予定はお盆シーズン。遠征を始める新潟にたどり着くのに必要な「ムーンライトえちご」の指定券が、売り切れていた。
それから数日、私はパソコンにかじりつくようにして「えきねっと」で空席照会を行った。
その後問題なく指定券は手配できたのだが、旅が始まる前から、翌年の旅行への課題が生まれてしまった。
――読者も筆者も面白くない話はこの程度にして(書くこともないし^^;)、それでは旅行記の本題を始めるとしましょう。
◇ 旅のはじまり、「1.『月光紀行』」を読む ◇
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